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2007-08-03 (Fri)
それはかすかな音だった。
だが、母はまどろみの中で確信した。この音は・・・。

起き上がりわずかな灯りの中で目を凝らした。
窓の外では先程までの風雨はやみ小雨の音が聞こえた。
暑い。
窓を開けてシャッター式の雨戸をわずかに開けた。
生ぬるい風が部屋に入ってくる。
ほっと息をついた時また音が聞こえた。

プ~ン・・。

やっぱり『蚊』!

急いで灯りを点けた。
まぶしい中ベッドで眠りについている子供たちの手や足を見る。
赤い点がいくつもある。もちろん自分にも。
母は少し顔をしかめた。
「やっつけなくては。」
時計を見ると午前2時を少しまわったところだった。

部屋を見回すとそれは意外と簡単に見つかった。
ドン!
にぶい音をたてて壁に止まっていた『蚊』を捕まえた。
軽く安堵して捕らえたものを見つめた。
『違う。これじゃない。・・・一匹じゃない。』
とっさにそう思った。何故ならば捕らえた『蚊』には血の気配がないのだ。あれだけ刺されているのにこんなはずはない。
と、パパが動いた。見ると顎付近に『蚊』が。
これだ!

ピシッ!考える前に手が動いていた。
突然の攻撃にびっくりしたパパだがすぐに眠りに落ちた。
またパパが動いた。今度は足だ。
ピシッ!3匹目を捕らえた。
またパパの体がびっくりしたが再び眠りに落ちもう起きる事はなかった。

暑い。
扇風機のスイッチを入れた。
部屋の生ぬるい空気をかき回している。

『もう居ない?』

目を凝らして部屋の中を見回す。
耳を澄ます。寝息とわずかに聞こえる小雨の音。

突然子供たちが動いた。刺された箇所を掻いている。いるのか?
子供の体を上から下まで見る。居ない。
「暑い。」子供たちがつぶやく。
雨戸をもう少し開けようか。
カーテンを揺らした時1匹の『蚊』が飛び立った。
居た。目で追いかける。消えた。周辺に目をやる。
見つけた。ベッドの模様にまぎれていたが確かにそうだ。
トン。わずかな音がした。『蚊』から出た血が手につく。
4匹目。手を綺麗に拭きながらもう居ないだろうと思うのだが何故か落ち着かない。
まわりの空気がまだいると言っているようだ。

もう一度子供たちを見る。
すると次男の体のまわりを飛ぶ『蚊』を見つけた。
そっと忍び寄る。手をのばしてパチン。逃した。
しまった。もとの位置に戻り目を凝らす。っと視界の隅に『蚊』を見つけた。
『さっきの?』
手で追いかけながら狙いをつけたとき、扇風機の風に煽られて飛んで行ってしまった。あぁ。

落胆の気持ちを抑えて再び目を凝らす。
『やっつけなくては。なんとしてもやっつけなくては。』
壁、天井、網戸、ドア部屋中を見渡す。どこかにいるはず。
どこ?どこ?どこ?
ふと壁の一角に目が止まる。見つけた。
今度は逃がさない。そ~っと近寄り・・
ドン!よしっ!
捕らえたものを見つめた。これは次男の周りに居た黒いやつだ。
ということは扇風機に煽られたのがまだいる。あいつは赤かった!
時計を見た。2:35。
蚊取り線香を取りに行かねば・・でもその間に刺されたら・・
暑さと眠気が母を襲う。
『早く出て来い。』

随分時間がすぎたように感じた。

どこ?

ふと目の前に現れた。追いかける。消えた。いや違う。ドアに止まっていた。木目にまぎれて隠れている。
ドン!

終わった。『蚊』から飛び出す大量の血。終わった。

まわりの空気が変わった。もう居ないだろう。

階下に下りて手を洗い、お茶を飲み、蚊取り線香を持って上がる。
雨戸をもう少し開け時計を見た。
時計の針は間もなく3時をさそうとしていた。
灯りを消して母は眠りに着いた。
その口元は少し満足気だった。




プ~ン・・・。






ちょっとミステリー風に昨晩の『蚊』騒動を書いてみました
普通6匹もいないわよね~。まったく
痒くてたまらないわ。









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